ACRAC-再生骨材コンクリート普及連絡協議会

- Advanced Concrete Recycling Affairs Council -

ACRAC ニュース7月号

2023/07/31 | お知らせ

1.国土交通省が再生骨材コンクリートの現況についてACRACにヒアリング

・7月24日(月)国交省との意見交換会が開催された。
・国交省側は総合政策局公共事業企画調整課から課長補佐及び3名と先端建設技術センターから企画部参与及び2名が出席した。
・国交省側は、「再生骨材コンクリートに関する知識が全くない」ということでしたので、ACRACの広報資料に基づいて、再生骨材コンクリートの基礎的説明、現状の課題及び課題解決方策について説明し、意見交換を行った。
・なぜ、現在再生骨材コンクリートのリサイクルが進まないのかに議論が集中した。

2.2023年度第1回技術部会開催

・7月21日(金)午後2時に2023年度第1回技術部会が開催され、以下のような議事が審議された。

1)再生関連JIS改正に関する報告について細野技術委員より説明

次回のJIS改正に向けた、ACRACとして提案事項確認として、下記の3項目を柱として活動をすることになった。
①アルカリ量の検査(試験)方法 (現在東北大学でアルカリ量の測定方法を研究中)
アルカリシリカ反応性の区分がAであればアルカリ量は問題ない。
②再生骨材の単独JIS化(JIS A 5021,JIS A 5022,JIS A 5023)
RRCSは粒状化骨材のJIS化の検討 今後の動向を見る
③再生骨材コンクリートL及び再生骨材コンクリートMのJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」との統一化。

2) 品質監査要領の見直し(品質監査チェックシート)

①一(財)日本品質機構(JQA)の高谷氏より要望に基づいて、品質監査要領の品質監査チェックシートを見直しました。

3)「ブルーカーボンの拡大における海洋構造物への再生骨材・再生骨材コンクリートの活用」

①「ブルーカーボン」について柴谷会長より説明がありました。
②「ブルーカーボン」は勉強する事が多くあるため資料等を収集し次回の技術部会で再検討する。

4)「再生骨材・再生骨材コンクリートに関する CO2 削減量の数値化」

①本年度の技術部会の研究テーマとして、「再生骨材コンクリートのライフサイクル CO2削減量の数値化」を提案する。
②広報資料に載せられたものを実態と照らし合わせて技術部会で検証して、ACRACとしての数値化し、各社がそれを使って、CO2削減量を簡便に算定できるツールの作成を目指す。
③広報資料は土木学会を参考としておりこれを更に精度の高いものにしていく。

5)その他

・会員各社の技術者に対して、広く技術部会への参加を促し、再生骨材コンクリートの普及を図る。
・第2回の技術部会を2023年9月中旬頃に予定。事前に会員に開催内容をメールにて連絡をする。

3.セメント製造時に発生するCO2量、セメント分野におけるCO2削減の取り組み

・セメント製造時に発生するCO2量の算出は、エネルギー、原料とも天然資源以外の他産業の副産物や廃棄物を相当量使用しているので困難であるが、セメント協会の「セメントLCIデータの概要」によると、ポルトランド788.6g/kg、高炉B種458.1 g/kg、フライアッシュB種678.6 g/kgとなる。
・2019年のセメント製造工程からCO2排出量は約4000万tとなっているが、日本の2019年度のCO2排出量は約11億tなので、セメント製造は約4%を占めることになる。
・セメント製造は大量のCO2を排出するため、様々なCO2削減技術が急ピッチで開発されつつあるのでその1部を紹介する。

1)セメント製造工程で発生する、原料由来のCO2のほとんどを発生さているプレヒーターでのCO2を回収する技術開発、回収したCO2を原料として廃棄物をリサイクルし、セメント原料を製造する新しい技術も開発中。
2)NEDOは2020年6月、セメント工場のCO2を再資源化「カーボンリサイクル」する技術開発に着手、セメント工場内にCO2分離・回収設備を設置し排ガス中から10t/日のCO2を分離・回収する実証試験を実施、回収されたCO2は高炉スラグに閉じ込めて大気に排出しない。
3)セメント代替品の高炉スラグと、カーボンリサイクルの技術を組み合わせることで、コンクリートを作るなど実質CO2排出量をマイナスにできる「カーボンネガティブコンクリート」が建設業界で共同研究されている。
一般社団法人 再生骨材コンクリート普及連絡協議会  技術顧問 鎌田 隆英