ACRAC-再生骨材コンクリート普及連絡協議会

- Advanced Concrete Recycling Affairs Council -

再生骨材コンクリート委員会報告

2017/04/08 | お知らせ

ACRACの品質監査制度は5年目になりますが、平成27年度からは最終審査を行う委員会が会員のみの自主審査である「監査委員会」から学識経験者を委員長とした「再生骨材コンクリート委員会」になり、本年は3月29日弘済会館で開催されました。

最初、ACRAC会長から品質監査制度は、再生骨材コンクリートの公共事業への活用を目的に、品質をより客観的に監査するためにACRACが自主的に基準を構築したものであるが、建築基準法告示の改正、コンクリート副産物の再利用に関する用途別暫定品質基準の提示、地方自治体の取組など種々の成果が上がっている旨の挨拶がありました。

その後、再生骨材コンクリート委員長の挨拶、ACRA品質監査委員会委員長から品質監査制度の説明があり、ACRA品質監査委員からは5工場の品質監査制度審査結果の説明があって、品質監査の審査に入り5社の適合が承認されました。

以下その記録です。

◆名 称     再生骨材コンクリート委員会
◆開催日時・場所  平成29年3月29日(水) 13:30~15:30 弘済会館 1階 葵の間
◆出席者(敬称略・順不同)

再生骨材コンクリート委員会委員長
山崎 淳   日本大学名誉教授
委員
小山 明夫  明治大学理工学部建築学科教授
岩月 栄治  骨材資源工学会・愛知工業大学教授
依田 和久  鹿島建設(株)
成島 亮衛  日本砕石協会
小野 馨   ACRAC品質監査委員会委員長
佐藤 宏行  ACRAC品質監査委員
吉里 哲郎  ACRAC品質監査委員
細野 知之  ACRAC品質監査委員
松田 信広  ACRAC品質監査委員
加保 進一  ACRAC品質監査委員
オブザーバー
片平 博   土木研究所
山本 勇   日本砕石協会
ACRAC 事務局
柴谷 啓一  ACRAC会長
松崎 慶之  ACRAC顧問
鎌田 隆英  ACRAC技術顧問
出  頴五  ACRAC事務局長

◆議事進行は以下によります。

1.ACRA品質監査委員会委員長から品質監査制度について目的や主旨等の説明がありました。

2.5人のACRA品質監査委員から下記の5工場に対する品質監査制度審査結果の説明がありました。
①株式会社 豊田商店 城南島工場、②宮松城南 株式会社 千葉工場、③樋口産業 株式会社、④武蔵野土木 株式会社、⑤株式会社 京星

3.委員及びオブザーバーからの審査結果に対する質疑や意見が出され、それについてACRA品質監査委員長及び監査委員が回答する形で審査されました。

4.審査の判定結果は5社の監査の判定に異議なしで5社に適合マークを与えるになりました。
★株式会社 豊田商店 城南島工場 適合
★宮松城南 株式会社 千葉工場  適合
★樋口産業 株式会社       適合
★武蔵野土木 株式会社      適合
★株式会社 京星         適合

5.審議事項における委員・オブザーバーの意見

(1)前回委員会における指導事項に対する監査委員会の対応
★資格試験制度、全生のコンクリート認定士や第3者である学会コンクリート工学会など別組織との連携、国交省資格までのレベルアップ、監査に有識者チェック項目の追加の4つの課題につきましては、当委員会が産官学連携体制が成立後に対応します
★原材料のアル骨つきましては、現状では原骨材受入時に1車毎の目視検査で限度見本と比較して判定することになっていますが、岩石についての判定基準はありません

(2)品質監査制度の審査について
★戻りコンクリートは廃棄物無しとなっているが、5㎜アンダーはどこに行っているか
戻りコン業者の監査で廃棄物無しはおかしいので、再使用しないものがどこに行ったかを示すようにする
★戻りコンの2社の監査で異なったコメントが書かれているのですり合わせが必要となる
★塩化物がないとなっている場合の確認方法はどうか
★T社とM社の減点項目が同じなのは、監査委員の監査のバラツキか
品質監査項目毎の基準・判断の違いを修正して整合性をとるべきである
★H社の抜取検査のような数値がギリギリ6.37の場合、妥当性が求められるので1回でなく抜取の審査方法を考える
★定期的に測った状況をどう監査するか、1年分の抜取結果を知るなど、審査の安定性を得るために審査方法を整理する必要がある
★安全性のため、工場ごとの監査結果のを相互に比較できるまとめ方を検討する
★データを継続的にとることが大切で、それが工程検査、マニュアルの見直しを促す
★品質監査を受けているのは8社だけなので、これ以外に待ち工場があるということか
★ACRAC制定技術認定講習会は、参加者がどの程度いるか

(3)品質監査制度について
★グリーン調達品目適合性という項目は、内容と名称が整合しないので名称が適切でない
★品質監査要綱はどのくらいの間隔で改正しているか、定期的に見直した方が良い
★用語の不適当な部分を見直し修正する必要がある
★監査制度の項目間の内容の整合性を取るようにする
★審査結果は書類として保存されるか
★品質監査制度は、JISの改正との整合性を取るようにする
JIS改正は普及第一をとらえているので、製造業者が品質を自主的に管理する必要がある
その意味でもこのような品質管理制度を確実なものにし実施していく必要がある

(4)委員・オブザーバーの意見につきましては、この中の課題を整理し、ACRAC品質管理制度の監査内容及び精度の向上に向けて、監査委員会で品質監査制度を検討し修正していきます。